ダイナホークGX ブラックスペシャル(スーパーXXシャーシ)の改造に挑戦してみたよ!

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)のアップ

ミニ四駆ステーション大会(3レーンでの店舗レース)用に、ダイナホークGX ブラックスペシャルを制作・改造してみました。


2017/6/5 この記事は「四輪駆動ラボラトリ vol.18」に収録されています。
> 詳細は「電子書籍」を参照

ダイナホークGX ブラックスペシャルの概要

ダイナホークGX ブラックスペシャルは、ダイナホークGXの限定版のミニ四駆です。 先行発売された公式大会では、すぐに完売するほどの人気ぶりでした。

スーパーXXシャーシは、スーパーXシャーシの強化版で、直進性と安定性が高いのが特長です。 ホイールベース(前後のホイールシャフトの間隔)が全てのシャーシの中で最も長く(84mm)、左右の車輪の間隔も、他のシャーシより広いです(ホイールシャフトは72mmを使用)。

このため、長い直線でのスピードの伸びは抜群。 直線が多いコースで、有利なシャーシです。 ジャンプ着地時の安定性も高く、滅多に横転することがありません。 その高い安定性は、ジャパンカップ2012のグランドチャンピオンのミニ四駆が、スーパーXシャーシであることが証明しています。

改造したダイナホークGX ブラックスペシャルの詳細

これが、改造したダイナホークGX ブラックスペシャルです。 もともとのデザインを重視して、ボディカラーは変えずにシールを貼りました。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)を正面真上から見下ろしたところダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)を後面真上から見下ろしたところ

ダイナホークGX ブラックスペシャルのシールはメタリック調なので、光に当たると輝き出します。 漆黒のボディと相まって、かなりかっこ良いです☆

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)のメタリックシールの様子その1ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)のメタリックシールの様子その2
ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)のメタリックシールの様子その3ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)のメタリックシールの様子その4

今回は、複雑な改造をしないで、誰でも作ることができるような、シンプルな改造を目指しました。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)を真上から見たところダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)を横から見たところ
ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)を正面から見たところダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)を後面から見たところ

改造その1:薄タイヤを作って取り付けてみた

今回は、薄タイヤ作りに挑戦してみました。 薄タイヤは、「薄(うす)く加工したタイヤ」のことです。 別名「ペラタイヤ」とも呼ばれています(紙のようにペラペラしている薄いタイヤ、という意味です)。

薄タイヤの様子その1薄タイヤの様子その2

薄タイヤの作り方は、
 ヤスリの上にミニ四駆を乗せてタイヤを削る、
 リューターという工具を使ってタイヤを削る、
 旋盤加工をしてくれる人(業者)に依頼する、
などがあります。

具体的には、中径タイヤ(厚さ3mm)を、厚さ1mmぐらいになるまで削ります。 そのタイヤを大径ホイール(径は23mm〜25mm)にはめて、中径に近い(26mm前後の)車輪とするのです。 通常の組み合わせ(中径タイヤ+中径ホイール)に比べて、軽い上に跳ねにくくなるので、スピードが速くなって安定性も高くなります。

普通のタイヤと薄タイヤ

ただ、薄タイヤの加工は正確さが要求される、とても難しい改造です。 タイヤの厚みが少しでも異なると、走行時にミニ四駆が傾いてしまうため、安定性が下がってしまうからです。 しかも、1つのタイヤだけでなく、4つ全ての厚みを均一にしなければなりません。

薄タイヤの加工イメージその1薄タイヤの加工イメージその2

このため、正確な薄タイヤを人の手で作るには、職人芸のような器用さが必要です。 実際、自分の手で加工した方々からは、
「薄タイヤは(均一に削って作るのが)難しい」
「タイヤを削っていると、モーターが火をふく」
「作るのに半日かかる。 2度とやりたくない」

という声が聞かれます。

薄タイヤの様子その3薄タイヤの様子その4

そのかわり、正確に削って作られた薄タイヤの走行性能は、かなり高いみたいです。 大会では、薄タイヤが組み込まれたミニ四駆が、ジュニアクラス/オープンクラスを問わず、上位に入賞しているからです。

改造アドバイス

タイヤを加工するための、ワークマシン(改造作業用のミニ四駆、壊れかけ・古いシャーシでOK)を用意します。 もし、ワークマシンが用意できない場合、ダイナホークGX ブラックスペシャルのシャーシで構いません。 今回は、モーターとシャーシに負担をかけない改造方法だからです。

ワークマシン

ワークマシンは、改造作業専門のミニ四駆。 トルクチューンモーターと4対1以上のギヤを組み合わせて、高いトルクを確保。 主に、タイヤを加工する際に使用する。

そして、次の2つを用意します。


マスキングテープを、中空タイヤの中央部分に巻き付けます。 タイヤを取り付けていないホイールを目印にすれば、正確な位置にマスキングテープを貼り付けることができます。

薄タイヤの加工その1薄タイヤの加工その2

マスキングテープを貼り付けた中空タイヤを、ワークマシンにセットします。 スイッチを入れて車輪を回転させた状態で、マスキングテープの両端にカッターを当てて、切れ目を入れます。 両腕(手首とひじの間)を机やテーブルの端に乗せて、息を止めながら作業すれば、手先がブレずに、まっすぐな切れ目を入れることができます。

薄タイヤの加工その3薄タイヤの加工その4

両端に切れ目を入れたら、中空タイヤをワークマシンから外して、マスキングテープをはがします。

薄タイヤの加工その5薄タイヤの加工その6

中空タイヤをホイールから外して、切れ目に沿ってニッパーで切り取ります。 タミヤの「精密ニッパー」を使えば、簡単に切ることができます。 なるべく、切れ目より内側を切ってしまわないように、注意してください。 タイヤの幅を 8mm未満に切ってしまうと、レギュレーション(公式大会の規則)に違反するからです。

薄タイヤの加工その7薄タイヤの加工その8

このようにして、4つの薄タイヤを作ります。 繰り返しになりますが、「中空ゴム 小径タイヤセット(ホイール付)」に入っているタイヤは2つなので、ミニ四駆1台分の薄タイヤを作るには2セット必要です。

加工して作り出した4つの薄タイヤ

加工したタイヤを計測してみます。 厚さは約 1mmで、幅は10mmです。

薄タイヤの計測その2薄タイヤの計測その1


加工した薄タイヤをキット付属のホイールにそのまま入れると、次のような問題があります。 うすいので、ホイールの端の部分が飛び出してしまい、タイヤが接地してくれません。

無加工のホイールに薄タイヤをはめたところ

対処方法は、次の3つです。

今回は、ホイール端の部分を切ることにします。 薄タイヤを2つ重ねなくても、1枚で接地するようになるからです。 加工は、ホイールを回しながら端の部分をカットして、最後に軽くヤスリをかけます。

ホイールの加工その1ホイールの加工その2

キット付属のホイールに、うすい両面テープを貼って(タイヤを固定するため)、加工したタイヤをはめて計測。 径は約25mmです。

薄タイヤの計測その3

車輪の重さは 8.4g。 通常の中径サイズの組み合わせ(中径タイヤ+中径ホイール)は約 12gなので、およそ3分の2の重さです。

薄タイヤの重さ


次の写真は、中空タイヤの説明書です。 もともと、このパーツの役割は、ジャンプ着地時の衝撃を吸収することです。 マスダンパーを取り付けなくても、そう簡単にはミニ四駆が跳ねなくなるんですね。

中空タイヤの説明書その1中空タイヤの説明書その2

以前、
「薄タイヤを簡単に作る方法を、考案してほしい」
というリクエストがあったので、
「均一にうすく削るのが難しいのなら、最初からうすいタイヤを使えば良いのでは?」
と考えて、中空タイヤとマスキングテープを用いる改造を考案しました。 この方法なら、パーツと道具さえあれば、薄タイヤを手軽に作ることができます。

改造その2:FRPプレートを取り付けてみた

シャーシの前、横(左右)、後の4箇所に、それぞれFRPプレートを取り付けました。 ガイドローラーの取り付け幅を広げたり、マスダンパーを取り付けたりすることが可能になります。

前は、キット付属のノーズガードの下側に、「FRPマルチ補強プレート」を取り付けました。 頑丈になるので、高速でコーナーの壁にぶつかっても、簡単には曲がらなくなります。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その1ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その2

FRPプレートの下側に、黒のブレーキスポンジを貼って、「ミニ四駆マルチテープ(10mm幅 ブルー)」で隠しました。 前の地上高が下がるので、後部に取り付けたブレーキの効きを強くすることができます。
> ブレーキの詳細は、「ブレーキについて」「ブレーキセッティングをマスターしよう!」を参照。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その3ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その4


横には、「ARシャーシ サイドマスダンパーセット」に付属のFRPプレートを取り付けました。 これでマスダンパーを、手軽に取り付けることが可能になります。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その5ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その6

シャーシとFRPプレートの間に 3mmスペーサーを入れています。 マスダンパーを取り付けた際、重心が下がるので、安定性を高めることができます。 赤のスタビキャップは、「ボールスタビキャップ(ブライト)」に入っています。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その7ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その8


後には「カーボン強化リヤダブルローラー(3点固定タイプ)」と「スーパーXシャーシ・FRPリヤローラーステー」を取り付けました。 ガイドローラーのビスを補強するため、上側に「FRPマルチ補強プレート」を取り付けています。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その9ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その10

FRPマルチ補強プレート(ショート)」で、ブレーキを延長。 これで、ブレーキの効きを、強くすることができます。 ブレーキは、「ARシャーシ ブレーキセット」です。 長いビスで固定して、マスダンパーを取り付け可能にしています。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その11ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その12

初期状態はブレーキ無効にするため、「ミニ四駆マルチテープ(10mm幅 ブルー)」で隠しています。 完走が難しいコースの場合、テープを外してブレーキを有効にします。 グレーのスタビキャップは、「ボールスタビキャップ(モノクロ)」に入っています。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その13ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その14

マスダンパーをフル装備すると、次のようになります。 取り付ける箇所や重さを、コースにあわせて柔軟に調整することができます。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その15


ちなみに、「ARシャーシ サイドマスダンパーセット」に付属のマスダンパー(シリンダー)とマスダンパー(ボウル)は、通常タイプよりも性能が高いです。

次の写真を見比べてみてください。 左側は通常タイプで、右側はマスダンパー(シリンダー)です。 通常タイプよりもマスダンパー(シリンダー)の方が、下側にセットされているのが分かります。

通常のマスダンパーを取り付けたところARシャーシ用のマスダンパーを取り付けたところ

マスダンパーにあけられた穴が、その秘密です。 ナットが入る大きさの穴があけられているので、取り付け位置が下がるわけです。 このため、重心が下がって、安定性が高くなります。 また、上下に動く範囲も広がるので、マスダンパーの効果も高くなります。

通常タイプとAR用のマスダンパーの違い

マスダンパー(シリンダー)とマスダンパー(ボウル)は、限定版の黒いバージョンが発売されています。 お好みで、こちらを使うのも良いでしょう。

マスダンパー(シリンダー)とマスダンパー(ボウル)同士を接着剤でくっつければ、マスダンパー(ヘビー)よりも上下する範囲が広くなるという、スペシャルなマスダンパーになります。

改造したARシャーシ用のマスダンパー

逆に、接着剤でくっつけないで、1箇所に重ねて取り付けた場合、あまり効果は高くなりません。 重さ・上下する範囲が同じであっても、わずかなタイムラグで個別に働いてしまうために、マスダンパーの効果が分散してしまうからです。

AR用のマスダンパーを接着した/接着しなかった場合の違い

改造アドバイス

ノーズガードを取り付けるネジ穴に、トラスビスを入れます。 その後、トラスビスを外して、ノーズガードを取り付けます。 手間がかかりますが、パーツの取り付け作業が、楽でかつ正確になります。

また、ノーズガードとFRPプレートの間には、大ワッシャーを1枚挟みます。 こうすれば、シャーシとFRPプレートが接触しなくなるので、がっちり取り付けることができます。

フロンとバンパーにトラスビスを入れたところノーズガードの裏にFRPプレートを取り付けているところ


サイドバンパーの裏側から、ネジ穴の入り口付近を、太さ 2mmのピンバイスで削ります(ほんの少しです)。 こうすれば、ビスが入れやすくなります。

サイドバンパーのネジ穴に穴をあけようとしているところサイドバンパーのネジ穴に穴をあけたところ

こちらも、いきなりFRPプレートを取り付けないで、トラスビスを入れておきましょう。 このように、ていねいに作業すれば、ビスを斜めにねじ込んでしまって、シャーシのネジ穴に変なクセがつくトラブルを、防ぐことができます。

シャーシ横にトラスビスを入れたところ


カーボン強化リヤダブルローラー(3点固定タイプ)」のパーツに、ニッパーで切れ目を入れます。 その後、「カッターのこ II」を切れ目に当てて、ゴリゴリ切ってゆきます。 カットする場合、ピンバイスで穴を何個かあけてニッパーで切る、という方法もありますが、カッターノコを使った方が楽です。

カーボン強化リヤステーに切れ目を入れているところカーボン強化リヤステーをカットしようとしているところ

カッターノコは、あまり力を入れずに動かした方が、スムーズに切ることができます。 カットが終わったら、ヤスリをかけて、きれいにしておきましょう。

カーボン強化リヤステーをカットしているところカーボン強化リヤステーにヤスリをかけているところ

加工前後のカーボン強化リヤステーです。 だいぶ、さっぱりとなりました☆ このパーツをシャーシにはめた後、「スーパーXシャーシ・FRPリヤローラーステー」を取り付けます。

加工前後のカーボン強化リヤステー

ブレーキは、前の部分を少しカットします。 無加工のままだとFRPプレートと接触してしまうため、ブレーキの取り付けができないからです。

AR用ブレーキをカットしようとしているところFRPプレート同士の接合部分を下から見たところ

ブレーキに、「FRPマルチ補強プレート(ショート)」を取り付けます。 この時点では、ビスを最後まで締めないでおきます(FRPプレート同士を接合する方が先)。

AR用ブレーキにFRPプレートを取り付けたところその1AR用ブレーキにFRPプレートを取り付けたところその2

FRPプレート同士を、ビスとロックナットで接合します。 その後、ブレーキとFRPプレートのビスを、最後まで締めます。

FRPプレート同士の接合部分を下から見たところFRPプレート同士の接合部分を上から見たところ

ちなみに、通常のロックナットは重いので、FRPプレートの下側に取り付けましょう。 わずかですが、ミニ四駆の重心を下げることができます。 重心が低いほど、ミニ四駆の安定性は高くなるのですね。


マスダンパー(ボウル、シリンダー)の改造についても、触れておきます。

一方のマスダンパーを両ネジシャフトの棒の部分に入れて、「タミヤ瞬間接着剤(ゼリータイプ)」をつけます(写真左側より多く、つけないよう注意)。 その後、もう一方のマスダンパーを入れて、くっつけます。 くっつけたら、軽く上下させてください。 接着剤がはみ出して、両ネジシャフトとくっついてしまうケースがあるからです。

AR用マスダンパーに瞬間接着剤をつけたところAR用マスダンパー同士をくっつけているところ

1分ほど経過したら、今度は「タミヤ瞬間接着剤《高強度タイプ》」を、マスダンパーの接合部分に、流し込むようにつけてゆきます(こちらも、つけ過ぎないように注意です)。 ぐるりと1周つけたら、乾燥するまでの間、パーツケースの仕切りに乗せて、つるしておきましょう。

AR用マスダンパーに瞬間接着剤をつけているところAR用マスダンパーをぶらさげているところ

改造その3:ボールベアリング式のガイドローラーを取り付けてみた

軸受け部分が、ボールベアリング式のガイドローラーを、取り付けました。 前は「軽量2段アルミローラーセット(13-12mm)(レッド)」、後は「19mmプラリング付アルミベアリングローラー(5本スポーク)(レッド)」です。

前の2段ガイドローラーは、1段のタイプに比べて、重くなる代わりに、安定性が抜群に高くなります。 後のガイドローラーも、接地面積が広いので、プラスチック製の中では安定性が高いです。 この組み合わせは、安定性重視のセッティングなんですね。

ガイドローラーの比較その1ガイドローラーの比較その2

ガイドローラーの取り付けには、通常のビスではなく、キャップスクリュー(前は25mm、後は30mm)を使っています。 パーツは、「2mm キャップスクリューセット(25mm・30mm)」です。 ミニ四駆はスピードが速くなると、通常のビスではすぐに曲がってしまうので、頑丈なキャップスクリューをお勧めします。
> キャップスクリューの詳細は、「キャップスクリューを使ってみよう!」を参照。

ちなみに、ガイドローラーは色々な種類があって、性能も様々です。 詳細は、次の記事を参照してください。
ガイドローラーについて

改造アドバイス

ガイドローラーは、説明書に従って、ベアリングローラー用スペーサーで挟みます。 ベアリングローラー用スペーサーには、向きがあります。

ベアリング用スペーサーの向きベアリング用スペーサーの説明

丸い方ではなく、小さな突起がある方を内側にして、ガイドローラーを挟みます。 向きを間違うと、ガイドローラーが正常に働かなくなったり、ボールベアリングの内部にゴミが入りやすくなったりする(性能が下がる)ので、注意してください。

ガイドローラーをベアリング用スペーサーで挟んでいるところその1ガイドローラーをベアリング用スペーサーで挟んでいるところその2

2段ガイドローラーの取り付け方は、ちょっと複雑です。 ガイドローラーの内部に 5mmスペーサー1つと、520ボールベアリングを2つ入れてから、ベアリング用スペーサーで挟みます。

2段ガイドローラーのセット方法

説明書には、パーツの役割や取り付け方法が、詳しく書いてあります。 ですので、説明書は、慣れるまで捨てずに、取って置くと良いですよ☆

2段ガイドローラーの説明書

ガイドローラーを止める際は、FRPプレートとの間に、大ワッシャーを挟むようにしてください。 コーナーを曲がる時の衝撃を和らげることができるので、パーツが壊れにくくなるからです。 詳細については、次の記事を参照してください。
> 「小部品について

ガイドローラーを止めるビスに大ワッシャーを挟んでいるところその1ガイドローラーを止めるビスに大ワッシャーを挟んでいるところその2

ガイドローラーの高さは、スペーサーを活用して調節しましょう。 スペーサーは何種類かあるので、「ミニ四パーツケース」で、同じ長さ(種類)ごとに分けておくと良いですよ☆

ガイドローラーを止めるビスに入れている各種スペーサーミニ四ケースに入れている各種スペーサー

改造その4:軸受けを620ボールベアリングに変更してみた

ホイールシャフトの軸受けを、620ボールベアリングに変更しました。 さらに、ホイールとの摩擦を軽減するため、ベアリング用スペーサーを挟んでいます。 これによって、ミニ四駆のスピードが、大幅にアップします。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その18ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その19

620ボールベアリングは、3種類の軸受けボールベアリング中、最も優れたパーツです。 スピードだけなら「丸穴ボールベアリング4個セット」も速いのですが、620ボールベアリングの方が、ホイールシャフトのブレが少ないです。 このため、スピードが速くなるだけでなく、安定性も高くなるんですね。

620ボールベアリングは人気商品の1つなので、大きなお店でも品切れがちです。 公式大会の販売コーナーでは、普通に売られていることが多いので、なかなか手に入らない場合は、会場に足を運んでみましょう。


ホイールシャフトは、「72mmブラック強化シャフト(4本)」にしています。 通常のホイールシャフトより2倍も頑丈なので、そう簡単には曲がりません。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その20

速いミニ四駆ほど、コースアウトした時、ホイールシャフトが曲がりやすくなります。 「ハイパーダッシュ2モーター」や「ハイパーダッシュモーターPRO」などの高速モーターを搭載してコースアウトした場合、通常のホイールシャフトや中空シャフトだと、すぐに曲がってしまいます。 ですので、普段コースで練習走行する場合は、ブラック強化シャフトがお勧めです。

ちなみに、スーパーXXシャーシでホイールを貫通させる場合、「ステアリングシステムセット(VS・TZ・TZ—Xシャーシ用)」に付属のホイールシャフト(長さは84mm)が必要です。

改造アドバイス

ホイールシャフトを入れる時は、ハンマーで打ち込むと楽です。 通常のハンマーでも構わないですが、「マイクロハンマー(交換ヘッド4タイプ付き)」をお勧めします。 ちょうど良い大きさなので、作業しやすいからです。

ホイールシャフトにホイールを打ち込んでいるところ

シャーシとホイールのすき間は 1mm以内にしましょう。 できれば、ワッシャー1枚分( 0.4mm)ぐらいがベストです。 車輪の左右のブレが減るので、安定性が高くなるからです。

ホイールとベアリング用スペーサーの境目

逆に、このすき間がないと抵抗になるので、ミニ四駆のスピードが大幅にダウンしてしまいます。 モーターが速くて電池も新しいのにスピードが遅い場合、シャーシとホイールのすき間があるかチェックしてみてください。

改造その5:ターミナルをゴールドターミナルに変更してみた

キット付属のターミナルを、「スーパーXシャーシ・ゴールドターミナル」に変更しました。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その21ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その22

キット付属のターミナルは銅製なので、酸化(空気中の酸素と融合)しやすく、すぐに性能が下がってしまいます。 ゴールドターミナルは金メッキのおかげで、性能が劣化しにくく、ミニ四駆のスピードもアップします。 一石二鳥なパーツなんですね。

シャーシによって、取り付け可能なゴールドターミナルは違います(他のパーツよりも、細かく分かれています)。 どのゴールドターミナルが、どのシャーシに取り付け可能かは、「製品パーツカタログ – ④ターミナル(電池金具)」を参照してください。


余談ですが、「ターミナルは、キット付属の方が優れている」という意見があります。 理由は、「金メッキよりも銅の方が、電気を通しやすいから」なのだそうです。

でも、重要なのは、
「金メッキと、銅のどちらが、電気を通しやすいか」
ではなく、
「ゴールドターミナルと、キット付属のターミナルのどちらが、スピードアップするか」
のはずですよね? そして結果は、以前の記事「【検証】ターミナル(電池金具)」のとおりです。

ただ、「ピカールや研磨布などで、ターミナルをピカピカに磨けば、性能がアップする。 ただし、こまめなメンテナンスは必要(キット付属のターミナルは、すぐに酸化して性能が落ちるため)」という情報が寄せられています。 もしかすると、日々磨いていれば、性能が逆転するのかもしれません。 興味がある方は、挑戦&検証してみると良いと思います。

私は、ゴールドターミナルを愛用しています。 キット付属のターミナルをまめに磨くよりも、ミニ四駆を組み立てたり、改造したり、走らせたりする方に、時間を使いたいからです(きっと、その方が楽しいです)。

それに、キット付属のターミナルをまめに磨いていると、その分時間が奪われてしまうので、ミニ四駆の上達スピードが遅くなってしまう気がします(以前、「メンテナンスをマスターしよう!」で紹介したメンテナンスは別で、必要不可欠な作業です)。

改造その6:プロペラシャフトを中空タイプに変更してみた

キット付属のプロペラシャフトを、「スーパーXシャーシ・中空軽量プロペラシャフト」に変更しました。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その23ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その24

中空シャフトは、ストローのような空洞になっているシャフトです。 キット付属のプロペラシャフトに比べて軽いので、ミニ四駆のスピードがアップします。

改造その7:ギヤシャフトをフッ素コートに変更してみた

キット付属のギヤシャフトを、「フッソコートギヤシャフト(ツバ付2本)」に変更しました。 キット付属のギヤシャフトに比べて摩擦が少ないので、ミニ四駆のスピードがアップします。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その25ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その26

カウンターギヤの内部には、ARシャーシのキット付属の軸受け部品と、ベアリング用スペーサーを入れています。

改造アドバイス

まずは、フッ素コートギヤシャフトをカウンターギヤ(水色のパーツ)に入れます。 次に、ARシャーシのキット付属の軸受け部品(赤色のパーツ)を置いて、カウンターギヤを上からかぶせるように入れます。

カウンターギヤに軸受け部品を入れようとしているところカウンターギヤに軸受け部品を入れたところ

ピンセットペンチ」を使って、奥まで押し込みます。 最後に、ベアリング用スペーサーを入れて完成です。

カウンターギヤに軸受け部品を押し込んでいるところカウンターギヤにベアリング用スペーサーを入れたところ

軸受けパーツの取り付けは、ていねいに行いましょう。 取り付けに失敗して斜めに入ると抵抗になるので、逆にスピードダウンしてしまうからです。 カウンターギヤが滑らかに回転するか、シャーシにセットする前にチェックしてみましょう。

改造その8:ギヤをカーボン強化タイプに変更してみた

ピニオンギヤとクラウンギヤを、カーボン強化タイプに変更しました。 パーツは、「カーボン強化ギヤ G13・8Tピニオンセット」です。

カーボン強化タイプは、通常タイプよりも頑丈なので、ギヤの刃が欠けにくいです。 また、キット付属のギヤよりも接触が滑らかなので、ミニ四駆のスピードアップが期待できます。

※2/14追記
ただし、レギュレーション(公式大会の規則)では、「スーパーXXシャーシには橙色のクラウンギヤのみ使用可能」と決まっているので、この改造(スーパーXXシャーシに黒のクラウンギヤの使用)は違反となります(黒のピニオンギヤは使用可能です)。

クラウンギヤを見比べているところ

3種類(桃、黒、橙)のクラウンギヤ。 よく眺めてみると、桃と黒は同じ形状だが、橙は他の2つと異なる形状なのが分かる。

レギュレーションで定められているギヤの組み合わせについては、次のタミヤのホームページを見れば分かります。

【ミニ四駆グレードアップパーツマッチングリスト(ギヤ比)】
 URL:http://www.tamiya.com/japan/mini4wd/regulation_gear.html

最後に、ボディの両端は、少しだけカットすることをお勧めします。 無加工のままだと、両端がシャーシ(サイドバンパー付近)に当たってしまうために、ボディが少しセットしづらいからです。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その30ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の改造内容その31

これは、ダイナホークGXが、もともとスーパーXシャーシのミニ四駆だからです。 スーパーXシャーシのサイドバンパーは、スーパーXXシャーシよりも小さいのですね。 気にならない場合、この改造は不要ですが、しておいて損はありません。

スーパーXシャーシのサイドバンパー

スーパーXシャーシのサイドバンパー

まとめ

今回の改造をまとめると、次のようになります。

  • ①薄タイヤを作って取り付けた           ※スピードアップ↑、安定性アップ↑
  • ②FRPプレートを取り付けた           ※安定性アップ↑
  • ③ボールベアリング式のガイドローラーを取り付けた ※スピードアップ↑
  • ④軸受けを620ボールベアリングに変更した    ※スピードアップ↑、安定性アップ↑
  • ⑤ターミナルをゴールドターミナルに変更した    ※スピードアップ↑
  • ⑥プロペラシャフトを中空タイプに変更した     ※   〃
  • ⑦ギヤシャフトをフッ素コートに変更した      ※   〃
  • ⑧ギヤをカーボン強化タイプに変更した       ※   〃

重量は、電池無しで102.7gです。 今まで紹介したミニ四駆の中で、最も軽い仕上がりになりました。

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)の重さを量っているところ


このミニ四駆で、グッピー越谷レイクタウン店のコースを走らせてみました。

グッピー越谷レイクタウン店のコース

せっかくなので、以前「エアロアバンテ レッドスペシャル(ARシャーシ)の改造に挑戦してみたよ!」で紹介した、エアロアバンテ レッドスペシャルと対決させてみました。

ダイナホークGX ブラックスペシャルとエアロアバンテ レッドスペシャル

どちらも、「アトミックチューンモーター」でタイムを計測。

エアロアバンテ レッドスペシャル(ARシャーシ)が走っているところその1エアロアバンテ レッドスペシャル(ARシャーシ)が走っているところその2
ダイナホークGX ブラックスペシャル(スーパーXXシャーシ)が走っているところその1ダイナホークGX ブラックスペシャル(スーパーXXシャーシ)が走っているところその2

3周ずつ走らせたところ、次の結果になりました。

【走行タイム】 ※同じ電池で連続走行
走行順 ミニ四駆 タイム
1走目 エアロアバンテ レッドスペシャル
(ARシャーシ)
20秒75
2走目 ダイナホークGX ブラックスペシャル
(スーパーXXシャーシ)
19秒95

同じ電池を使って、
「エアロアバンテ レッドスペシャル」
「ダイナホークGX ブラックスペシャル」
の順で走らせたにもかかわらず、ダイナホークGXの方が、タイムが速いという結果になりました。

エアロアバンテ レッドスペシャルは、グリップ力が低いスーパーハードローハイトタイヤなので、スタートダッシュが遅めです。 ただ、1度スピードに乗れば、コーナーを滑るように走ってくれます。

一方、ダイナホークGX ブラックスペシャルは、スタートダッシュが速いです。 きっと、中空タイヤのグリップ力が、スーパーハードローハイトタイヤよりも高いからなのでしょう。 車輪は、径が25mmで軽いので、加速力も抜群です。 スーパーXXシャーシはコーナーが弱い(他のシャーシよりも減速しやすい)のですが、ほとんど減速しませんでした。


次は、タミヤプラモデルファクトリー新橋店のコースを走らせてみました。

タミヤプラモデルファクトリー新橋店のコースの様子

どちらも、「アトミックチューンモーター」でタイムを計測。 5周ずつ走らせたタイムが、次の写真です。

エアロアバンテ レッドスペシャル(ARシャーシ)の走行タイムその1ダイナホークGX ブラックスペシャル(スーパーXXシャーシ)の走行タイムその1

今度は、練習走行用の「ハイパーダッシュ2モーター」でタイムを計測。 5周ずつ走らせたタイムが、次の写真です。

エアロアバンテ レッドスペシャル(ARシャーシ)の走行タイムその2ダイナホークGX ブラックスペシャル(スーパーXXシャーシ)の走行タイムその2

ダイナホークGX ブラックスペシャルは、途中で2度もコースアウトしてしまったので、後ろに「アジャスト マスダンパー(2.5g×6個)」を2個取り付けました。 ミニ四駆はスピードが速くなると、後部が重い方が、ジャンプの着地が安定するんですね。

【走行タイム】 ※同じ電池で連続走行
走行順 ミニ四駆 モーター タイム
1走目 エアロアバンテ レッドスペシャル
(ARシャーシ)
アトミックチューンモーター 24秒18
2走目 ダイナホークGX ブラックスペシャル
(スーパーXXシャーシ)
同上 23秒08
3走目 エアロアバンテ レッドスペシャル
(ARシャーシ)
ハイパーダッシュ2モーター 21秒16
4走目 ダイナホークGX ブラックスペシャル
(スーパーXXシャーシ)
同上 20秒32

スピードは、薄タイヤを組み込んだダイナホークGX ブラックスペシャルの勝ち、
安定性は、マスダンパーなしで完走したエアロアバンテ レッドスペシャルの勝ち、
という結果になりました。

2度に渡る試走の後、ダイナホークGX ブラックスペシャルのホイールが、ほんの少し( 0.5mmほど)抜けていました。 走行中にホイールが外れると、コースアウトするだけでなく、軸受け部品が無くなってしまうこともあります。 ですので、
 [改造その4]のベアリング用スペーサーを外す、
 84mmのホイールシャフトで貫通させる、
のどちらかをした方が、良いかもしれません(どちらも、シャフトがホイールに深く入るので、抜けにくくなる)。


スーパーXXシャーシは、他のシャーシと同じように制作すると、コーナーで減速しやすいです。 ワンウェイホイールの効果が、1番実感できるシャーシなんですね。
> ワンウェイホイールについては「タイヤとホイールについて」を参照。

ダイナホークGX ブラックスペシャル(スーパーXXシャーシ)が走っているところその3エアロアバンテ レッドスペシャル(ARシャーシ)が走っているところその3

でも、中空タイヤで作った薄タイヤは、ほど良いグリップ力みたいで、どちらのコースでも、コーナーで大きな減速は見られませんでした(安定性も高い)。 薄タイヤって、すごいです。 採用されているミニ四駆が、大会で上位になる理由が、分かる気がしました。 ビバ、薄タイヤなのです\(^o^)/

今回紹介した薄タイヤは、どのシャーシでも組み込むことができます。 もし気になったら、あなたのお気に入りのミニ四駆に、ぜひ組み込んでみてください!

ダイナホークGX(スーパーXXシャーシ)のアップ

以上、ダイナホークGX ブラックスペシャル(スーパーXXシャーシ)の改造でした(^-^)


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