ブレーキセッティングをマスターしよう!

スーパーデルタバンクからヘルクライムの間におけるブレーキのイメージ

ブレーキのセッティングのポイントについて、解説します。


高難易度のコースを高速ミニ四駆で走破する切り札

ミニ四駆のスピードが速くなるほど、コースアウトの危険性も増します。 コーナーでの安定性は、適切なローラーセッティングで高めることができますが、ジャンプ台やレーンチェンジでの安定性を高めるには、適切なブレーキセッティングが求められます。
> ローラーセッティングの詳細は「ローラーセッティングをマスターしよう!」を参照。

ジャンプ台(ミニ四駆のコースセクションの1つ)

ジャンプ台

レーンチェンジ(ミニ四駆のコースセクションの1つ)

レーンチェンジ

 
立体コースを攻略するグレードアップパーツに、マスダンパーがあります。 でも、コースの形によっては、マスダンパーでは対応しきれないケースもあります。 難易度の高いコースを、高速のミニ四駆で走破するための切り札が、ブレーキなのです。
> マスダンパーの詳細は「マスダンパーについて」を参照。

ブレーキは、取り付けるスポンジの色、長さ、高さなどに応じて、めまぐるしく効果が変わるグレードアップです。 たった0.5mmの高低差が、ミニ四駆の走り(完走時のタイム)に大きく影響したり、勝負の明暗(完走/リタイア)を分けたりします。

ブレーキを、どんなセッティングにすると、どう変わるのか(ブレーキの効きが強くなったり弱くなったりするのか)? 適切なブレーキセッティングをするには、実際にコースを走らせる経験だけでなく、効きの強さに影響する「要素」について知っておく必要があります。

ブレーキの強さに影響する要素

ブレーキの強さ(効き具合)に影響する要素は、次の4つです。

  • ①ブレーキスポンジの色&長さ
  • ②取り付け位置(高さ&距離)
  • ③フロントバンパーの地上高
  • ④ミニ四駆のスピード&重量

①ブレーキスポンジの色&長さ

ブレーキスポンジは、4種類(グリーン、ダークグレー、ブラック、グレー)あります。 それぞれブレーキの効きが異なり、グリーン、ダークグレー、ブラック、グレーの順に強くなります(グリーンが1番弱く、グレーが1番強い)。
> ブレーキスポンジの詳細は「ブレーキについて」を参照。

また、スポンジを多く取り付けるほど、ブレーキの効きも強くなります。 たとえば、長さ2cmと4cmでは、2倍の差があります。

②取り付け位置(高さ&距離)

ブレーキを取り付ける高さ(地上高)が低いほど、ブレーキの効きが強くなります。 地上高が低いほど、コースの床に早く接触するからです。

※画像(右)をクリックすると、新規ウインドウで拡大表示。
ブレーキの地上高の説明地上高の違いによるブレーキの効きの変化のイメージ

また、同じ高さでも、車輪(ホイールシャフト)から離れた位置に取り付けるほど、ブレーキの効きも強くなります(後輪よりも後ほど強くなり、前輪よりも前ほど強くなる)。 地上高と同じく、コースの床に早く接触するからです。

※画像(右)をクリックすると、新規ウインドウで拡大表示。
ブレーキの距離の説明距離の違いによるブレーキの効きの変化のイメージ

なお、基本的に、ブレーキは後に取り付けます。 ブレーキをさらに強めたい時は、前にも取り付けます。 ブレーキの取り付けは、中央よりも両端に広げた方が、ジャンプ時の姿勢が安定します。 スポンジを足に見立てれば、一本足よりも二本足の方が、ぐらつかずに安定しますよね? それと同じです。

ブレーキの取り付け方による違いのイメージ

③フロントバンパーの地上高

後のブレーキセッティングが同じでも、前(フロントバンパー)の地上高が低いほど、ブレーキの効果は高くなります。 フロントバンパーの地上高が低いほど、後のブレーキがコースの床に早く接触するからです。

※画像(右)をクリックすると、新規ウインドウで拡大表示。
フロントバンパーの地上高の説明地上高の違いによるブレーキの効きの変化のイメージその2

前の高さを上下させると、ブレーキを強めたり弱めたりすることができるのは、意外と見落としがちな点です。 逆に言えば、前が高いままでは後のブレーキをいくら強めても、あまり効果は期待できないわけです。

④ミニ四駆のスピード&重量

①②③と違って、間接的な要素です。

ミニ四駆のスピードが速いほど、ブレーキは効きにくくなります。 また、ミニ四駆の重量が重いほど、ブレーキの効きが悪くなります。 アトミックチューンモーターからハイパーダッシュ2モーターに変えたり、マスダンパーを増やしたりすると、ブレーキの効きが鈍るわけです。

自転車の運転を、イメージしてください。 ペダルをいっぱい漕いでスピードが速くなるほど、ブレーキをかけても、簡単には止まらなくなりますよね? また、手ぶらよりも重い荷物を積んでいる方が、ブレーキをかけても、なかなか止まらなくなりますよね? それと同じです。

ブレーキの基本セッティング

ブレーキの基本的なセッティングを、次に示します。 ミニ四駆を制作したばかりの状態で、セッティングに迷った時の参考にして下さい。

【基本セッティング】
色 :ブラック
長さ:7cm 〜 8cm程度 ※合計の長さ
高さ:前はブレーキ無しで3mm程度、後は1.5mm 〜 2mm程度

ARシャーシ ブレーキセット」にスポンジ黒を地上高2mmで取り付ければ、簡単に実現できます。 その状態でミニ四駆を走らせて、減速具合やジャンプ時の姿勢を確認して、問題があればセッティング変更します。

ミニ四駆ステーション大会(店舗レース)の様子その1ミニ四駆ステーション大会(店舗レース)の様子その2ミニ四駆ステーション大会(店舗レース)の様子その3

ブレーキの役割は、ジャンプ台やレーンチェンジなどの上り坂でミニ四駆をしっかり減速させて、不用意なジャンプを防ぐことです。 ミニ四駆の走りを観察して、ブレーキが役に立っているか判断します。

ミニ四駆の減速が著しければ、ブレーキを弱めます。 逆に、ジャンプ台やレーンチェンジでコースアウト(リタイア)するようなら、ブレーキを強めます。 マスダンパーの増減も、セットで考えます。 ミニ四駆の挙動を観察しながら、ブレーキを調節してみてください。

ブレーキの調節は、他の色に変更したり高さを上下させたりする以外に、「ミニ四駆マルチテープ(10mm幅 ブルー)」や「ミニ四駆 スキッドシール(3枚)」でスポンジの一部を隠す方法もあります(ブレーキを弱める場合)。

ブレーキスポンジを隠すセッティング例

ブレーキセッティングのポイント&注意点

ブレーキを何となく取り付けてしまうと、ミニ四駆の走りが悪くなったり、思わぬトラブルに遭ったりする可能性があります。 ブレーキにまつわるトラブルを回避して、効果的に機能させるための、ブレーキセッティングのポイントと注意点を、次に挙げます。

  • ①ブレーキスポンジは指で強く押し込む
  • ②地上高はあまり低くしないようにする
  • ③他のパーツとの組み合わせも考慮する
  • ④スライドダンパー併用時はカットする
  • ⑤コースでブレーキが効く所を見極める

①ブレーキスポンジは指で強く押し込む

両面テープなどでブレーキスポンジを取り付ける際は、指で強く押し込むようにします。 こうすれば、ブレーキスポンジが走行途中に外れるのを、かなり防ぐことができます。 裏側にも指を当てて、両側から挟み込めば、効果抜群です。

ブレーキスポンジを指で押し込んでいるところ

コース上やその周辺では、ブレーキスポンジが落ちているのをよく見かけます。 公式大会で落とし物箱を見ていると、やはりブレーキスポンジが多いです。 使っていて摩耗する前に無くしてしまったら、もったいないですよね。

コース周辺に落ちているブレーキスポンジその1コース周辺に落ちているブレーキスポンジその2
公式大会の落とし物箱の内容落とし物ボックスの様子

ブレーキスポンジは伸縮性があるので、多少強く押しても変形することはありません。 ですので、ブレーキスポンジ全体を、まんべんなく押し込んでおきましょう。

②地上高はあまり低くしないようにする

レギュレーション(公式大会の規則)では「ミニ四駆の地上高は 1mm以上」となっています。 でも、ブレーキとフロントバンパーの地上高を下げ過ぎると、バーニングブリッジやヘルクライムを登れなかったり、芝セクションで止まってしまったりします(全てリタイア扱い)。

また、コースの継ぎ目(つなぎ合わせている部分)が高い場所では、床にブレーキが当たってしまい、スピードが乗らないこともあります。

公式大会のコースの継ぎ目は、高めに設定されています。 万一、ミニ四駆が逆走した場合、他のマシンと正面衝突させないためです。 マスダンパーを多めに取り付けて、ブレーキをかなり低めにセッティングすると、スピードに乗れず、低速状態のまま走り続ける状況になりかねません。

ミニ四駆ジュニアカップ・トレッサ横浜杯2013[秋]コース段差の様子

ですので、地上高はあまり低くしないように気をつけてください。 前述の基本セッティングであれば、このようなアクシデントは発生しにくくなります。

なお、地上高の確認は、定規などで測るよりも、小部品を活用する方法が便利です。 ワッシャーやスペーサーを重ねて、ミニ四駆の下をくぐらせてみれば、狙い通りの高さになっているか、簡単かつ正確に確認することができます。
> 詳細は「小部品にまつわる小ネタ集」を参照。

③他のパーツとの組み合わせも考慮する

ブレーキを効果的に使うためには、他のグレードアップパーツとの組み合わせも、セットで考える必要があります。

ギヤ比と車輪(タイヤ&ホイール)

ブレーキの効きを強くするほど、減速後の加速力を高めるセッティングが重要になります。 ギヤ比が[3.5:1]だったり、車輪が大径(31mm)だったり、グリップ力が低いスーパーハードタイヤだったりすると、減速後にスピードが乗るまで時間がかかるので、走行タイムが遅くなってしまうからです。
> ギヤ比の詳細は「ギヤ比について」を参照。
> タイヤとホイールの詳細は「タイヤとホイールについて」を参照。

ミニ四駆の加速力を高めるセッティングを、次に示します。

【加速力を高めるセッティング】
  • ギヤ比を、[3.7:1]や[4:1]にする。
  • 車輪を、小径(24mm)や中径(26mm)にする。
  • タイヤを、グリップ力が高いノーマルタイヤ(平面・スリック)にする。
  • ミニ四駆の重量を軽くする。
マスダンパーの量

ブレーキを強めにセッティングすると、ジャンプ台からのジャンプが小さく(低く、短く)なるので、着地時の衝撃も小さくなります。 逆に、ブレーキを弱めにセッティングすると、ジャンプ台からのジャンプが大きく(高く、長く)なるので、着地時の衝撃も大きくなります。
> 詳細については、「ダンパーセッティングをマスターしよう!」を参照。

ですので、ブレーキセッティングにあわせて(ブレーキでミニ四駆のスピードを増減させたら)、マスダンパーの量も増減させます。

  • ブレーキを強めにセッティング → マスダンパーの量を減らす
  • ブレーキを弱めにセッティング → マスダンパーの量を増やす

特に、ブレーキを強めにした場合、マスダンパーは勇気を持って減らすことをお勧めします。 私見ですが、ミニ四駆は攻めの姿勢を貫いた方が、楽しいです。 それに、たとえ失敗しても(守りに入って失敗した場合に比べて)得るものが多い気がします。

④スライドダンパー併用時はカットする

スライドダンパーを取り付けた場合、ブレーキが無加工のままだと、コーナーを走る際、壁をこすってしまうことがあります。 タイムロスになるばかりか、ガイドローラーが壁に当たらないため、ミニ四駆を支えきれずにコースアウトする危険があります。

スライドダンパーとブレーキを取り付けた状態で、「ミニ四駆 オーバルホームサーキット」などの1番内側のコーナーの壁にミニ四駆を押し当て、スライドダンパーが機能してもブレーキが当たらないか確認してみましょう。

コーナーでスライドダンパーが機能しているところコーナーでスライドダンパーが機能しているところ(拡大)

もし壁に当たるようであれば、その部分をカットします。

ノーマルブレーキ(左)と両端を切断したブレーキ(右)

⑤コースでブレーキが効く所を見極める

コースでミニ四駆を走らせる前に、どの場所でブレーキが効くか、見極めるようにしましょう。

わざわざコースを観察しなくても、ミニ四駆を走らせれば、ブレーキが発動する場所はすぐに分かります。 分かりますが、ジャパンカップのように、レース前に練習走行ができない場合もあります。 コースを観察しないでレースして、セッティングが甘くて負けてしまったら、悔しいですよね? ですので、普段から、ミニ四駆を走らせる前にコースを確認することを、お勧めします。

ジャンプ台やレーンチェンジなどのアップダウンでは、必ずブレーキが発動します。

ジャンプ台(ミニ四駆のコースセクションの1つ)

ジャンプ台

レーンチェンジ(ミニ四駆のコースセクションの1つ)

レーンチェンジ

 
ちなみに、ジャパンカップ2013のコース「スーパークライムサーキット2013」におけるスーパーデルタバンクからヘルクライムの間では、ブレーキが2回発動します(下りと上りで1回ずつ発動)。

※画像(右)をクリックすると、新規ウインドウで拡大表示。
スーパーデルタバンクからヘルクライムの間スーパーデルタバンクからヘルクライムの間におけるブレーキのイメージ

注意したいのが、次のようなループセクション(ミニ四駆がぐるぐると回りながら走る場所)です。 ブレーキを取り付けていると、ループの上り坂を走り抜けることができず、リタイアとなってしまうからです。

ループセクション

ですので、コース上にループセクションがあったら、ブレーキを外す必要があります。 ミニ四駆グランプリ2013のコースにも、「ループレーンチェンジャー」というループセクションがあるので、参加する場合は注意してください。

ミニ四駆グランプリ2013のコース画像

ミニ四駆の高度化・複雑化に比例する、ブレーキセッティングの重要性

ジャパンカップ2013のコース「スーパークライムサーキット2013」は、適切なブレーキセッティングが求められる、高難易度の立体コースでした。 ブレーキが無い、または、セッティングが甘いミニ四駆は、容赦なくリタイアとなりました。

ジャパンカップ2013の様子その1ジャパンカップ2013の様子その2
ジャパンカップ2013の様子その3ジャパンカップ2013の様子その4

あるトップレーサーの言葉です。
「速いミニ四駆なら沢山ある。 でも、レースで勝つ強いミニ四駆は少ない」

どんなに速いミニ四駆でも、コースアウトしたら負けです。 速さは重要ですが、安定性も重要なんですね。 ブレーキセッティングは安定性に深く関係するので、ミニ四駆の高度化・複雑化が進めば、ますます重要性が増してゆくでしょう。

ブレーキを使いこなすには、マスダンパー、ギヤ、車輪(タイヤ&ホイール)など、他のパーツについても理解して、セットで考える必要があります。 大変だと思いますが、必要に応じて、他の関連記事も参照してみてください。

様々なコースで色々なセッティングをした経験が、ブレーキセッティングの糧(かて)となります。 やっているうちに、自然に体で覚えられるので、何度もトライしてみてください。 勝負に勝てる強いミニ四駆を目指して、適切なブレーキセッティングができるようになりましょう!


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